教習の極意!-急制動編-

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【急制動 完全攻略】命を守るブレーキ術


「止まれるかどうか」は、バイクライフのすべてを左右する。
スロットルを開けるのは楽しい。でも、その勢いを“きちんと止める”ことができなければ、楽しさは危険に変わる。

本記事では、急制動=安全のための本気のブレーキングについて、基本から応用まで解説する。
教習所を卒業しても、本当に身につけるべきスキルはここにある。


■ 急制動とは何か?

急制動とは、「急に止まる」技術ではない。
短い距離で、安全かつ安定して停止する技術だ。
教習所では40km/hからの急制動(指定停止距離内で停止)を体験するが、実際の公道ではもっと複雑な状況が絡む。

・雨で滑る路面
・荷物を積んだ状態
・下り坂やカーブ
こうした現実の中で「いざ」という時、迷いなく正しい操作ができるかがすべてなのだ。


■ 急制動の基本動作

  1. 加速して目標速度に達する(例:40km/h)
  2. 合図でスロットルを戻し、すぐに前後ブレーキをかける
  3. 後輪ロックを避けるように、前輪制動を主に使って減速
  4. 停止後、ギアを1速に戻し、再発進に備える

ポイントは「スロットルOFFと同時にブレーキ開始」
この反応が遅れると、停止距離が一気に伸びてしまう。


■ 急制動の“やってはいけない”

  • ブレーキを「ガツン」とかける
    → タイヤがロックし、転倒リスクが高まる。
  • 後輪ブレーキだけに頼る
    → 制動力は前輪が7割以上。後ろだけでは止まれない。
  • 視線が下がる
    → 焦って地面を見ると、バイクもつられてバランスを崩す。

「急制動」は焦らず・落ち着いて・段階的にが鉄則。
緊張したときほど、“操作が雑になる”ことに注意したい。


■ ブレーキの握り方で差がつく

意外と多いのが、「レバーを握りしめるように引く」人。
正解は、指2〜3本でスッと握り、力をじわっと入れていく感覚。

瞬間的に「強く引く」と前輪がロックしてしまうので、初動はソフトに、減速しながら力を加えるのがコツだ。


■ ABSの有無で変わる戦い方

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)搭載車なら、ロックの心配は少ない。
でもそれは雑な操作が許されるということではない。

ABSが作動する=タイヤが滑りかけたということ。
つまり、「ちゃんと止まれる操作」ができていれば、ABSは作動しないのが理想

ABSは“保険”であり、“前提”ではないのだ。


■ 公道で役立つ応用テクニック

  • 左手は常にレバーに軽く添える
    → とっさの反応速度がまるで違う。
  • 後続車を考えて停止後もブレーキを握る
    → 二次被害を防ぐため。
  • クラッチは減速中に切らず、停止直前に握る
    → エンジンブレーキを使って減速の補助に。

ブレーキングとは、「止まること」ではなく、「安全に止まること」なのだ。


急制動、それは“止まる”という名の武装。

バイクは走る楽しさだけが魅力ではない。
“止まれる”という安心感があるからこそ、走る喜びが最大化される。

だから今、ブレーキを見直そう。
スロットルを開ける前に、止まる力を磨くことが、真のライダーの第一歩だ。

そのブレーキ操作が、あなたの命を守るかもしれない。
だからこそ「急制動」、今こそ完全攻略しよう。


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