本当にトラブルが多いのがバイクという乗り物
バイクってカッコいいよな。
風を切って走る姿、たまんねぇ。
でも──
「トラブル率、たぶん車の100倍」。
見た目はスマート、中身はスリリング。
それがバイクという乗り物だ。
■ エンスト地獄|信号待ちでの絶望
交差点でスッと減速、ギアを落とす、クラッチ握る──
……あれ?止まった?
「エンストだよバカヤロー!!」
後ろからクルマが迫ってる中、必死で再始動。
緊張で手が震えて、なぜか汗だけダダ漏れ。
とくに初心者あるある。
バイクは「繊細な操作」がモロに出るから、小さなミスが命取り。
■ 転倒という名の黒歴史
立ちゴケ、スリップ、Uターン失敗……
「バイク乗りの黒歴史」、それが転倒。
時速ゼロkmでゴロンと倒れるやつ。
ツーリング仲間の前だと精神ダメージも3倍。
しかも、車と違って「倒れる」のが普通にあるからタチが悪い。
サイドスタンドかけ忘れて「よっこらせ」→ドカーン。
……自尊心の損傷、大。
■ バッテリー上がりでライフ終了
乗らない期間があると、バイクって意外と早く死ぬ。
「さて、久しぶりに乗るか!」
→ セルが回らない。
→ ライトもつかない。
→ 「バッテリー、無」
バイクは軽量化のため、バッテリー容量が小さい。
だから1〜2週間で電圧がガクッと落ちることも。
ジャンプスタート用のモバイルブースター持ってなかったら、詰む。
■ 雨の中を走ると涙が出る
バイクに屋根はない。
当たり前だけど、これが地味にしんどい。
雨が降れば、靴までびしょ濡れ。
レインウェア着たって、顔面や手はびしゃびしゃ。
そしてなにより、視界ゼロ。
シールド曇るわ、グローブは滑るわ、路面はヌルヌル。
車なら「ワイパーON」だけで済むのに、バイクは「全身戦闘態勢」。
「……この戦い、誰のため?」って問い始める。
■ 落し物パニック|走り去る風とともに
グローブ片方、サイドバッグのチャック、荷掛けフック、ドリンクホルダー……
気づいたら「何か足りない」。
一度走り出すと、振動と風圧でモノは落ちる、飛ぶ、消える。
しかもライダーは気づかない。
「さっきまでここにあった……」
探しに戻る?でもどこまで?いつ落ちた?
──はい、もう無理。
風にさらわれたモノは、帰ってこない。
■ 虫アタック|顔面に直撃する羽ばたき
夜の山道、気持ちよく流していたら──
バチンッ!!
「いてっ!なに!?カナブン!?」
バイク乗りの顔面は、虫にとっての着陸地点。
シールドを開けてると、目や口に入るし、
メッシュジャケットから入り込んだ蜂にパニック必至。
最悪なのは、口に飛び込んできた謎の虫。
「飲んだ…?いや…生きてる…動いてる…」
──精神的ダメージ、計測不能。
■ 高速道路のトラウマ|風圧と恐怖の二重奏
アクセルをひねる。100km/h。
エンジンは唸り、景色は流れる。
……が、楽しいのは一瞬。
風圧が体をもぎ取ろうとする。
軽量ネイキッドなんかだと、上半身ごと持っていかれる感覚。
サイドミラーはブレまくって後ろ見えず、
ちょっとでも視線を横にしたら「首が持ってかれる」。
そして突如現れるトラックの横風。
バイクが一瞬、ズレる。
──これはもう修行。
“走ってる”というより、“耐えてる”。
■ それでも、なぜかやめられない
バイクは、車より100倍トラブルだ。
でも──その「めんどくさい相棒」が、なんだか愛おしい。
エンストしても、
転んでも、
バッテリーが死んでも、
雨に降られても、
グローブが風に飛ばされても、
虫が口に突っ込んでも、
高速で風に煽られて泣いても。
それでも「また乗りたい」と思う。
理由なんて、いらない。
そういうもんだろ?バイクって。
– RIDE NOTE